本記事では、Looker Studio(旧データポータル)のデータ抽出機能について解説をします。データ抽出はLooker Studioレポートにおいて下の図のような「割り当てエラー – このデータセットへのアクセス回数が多すぎます」とエラー表示された場合の解決策の1つとして活用できます。
Looker Studioにおける「データの抽出」とは
Looker Studioはレポートにアクセスするたび参照データソースからデータを呼び出す仕組みとなっています。このため、レポートで扱うグラフ要素が多かったり、参照期間が長いなどの理由によってリクエストデータ量が増えると、Looker Studioレポートの表示パフォーマンスが著しく悪化してしまうことがあります。
データの抽出機能を使うことで、特定のグラフ要素で利用する参照データを最小限にできるというメリットがあります。データ抽出によって、無駄なデータリクエストを防げるため、快適にLooker Studioを利用することができます。
エラー表示「このデータセットへのアクセス回数が多すぎます」の対処法
Looker Studioで利用するデータソースがGA4の場合「割り当てエラー – このデータセットへのアクセス回数が多すぎます」というエラーが頻繁に生じることがあります。
GoogleアナリティクスのGA4に限り、GA4 APIのリクエスト上限が2022年11月に新たにアナウンスされました。この上限設定により、万が一上限を超過してしまうとグラフ表示ができなくなるエラーが発生してしまいます。
次の記事ではこのエラーの対処方法について解説をしているのでぜひご覧ください。
データの抽出機能がGA4 APIの割り当てエラー対策になる
データの抽出機能を利用することで、GA4 APIの割り当てエラーに対処できます。これは、データの抽出機能でリクエスト数を大幅に抑えることができるためです。
データの抽出のメリット – 読み込みパフォーマンスの向上
データの抽出のメリットは、参照データをおさえることでLooker Studioの表示パフォーマンスが向上する点です。読み込み時間が短縮されたり、データの割り当てエラーを防止することができます。
データの抽出のデメリット – 設定に多少の手間がかかる
データ抽出のデメリットは、設定に多少の手間が生じる点です。それぞれのグラフ要素に対応した抽出データを作成する必要があるため、対象のグラフ要素数が多い場合に少し設定に時間がかかります。本記事の後半ではデータ抽出のやり方を解説しておりますのでぜひご覧ください。
Looker Studio データの抽出方法
以降はLooker Studioにおいてデータの抽出方法を解説します。
データの抽出方法 – はじめに
前提としてはすでにLooker Studioレポートがある状態を想定して解説をします。Looker Studioのレポートをこれから作成する場合は次の記事を参考にしてみてください。
【画像で説明】Looker Studio(旧 Googleデータポータル)の使い方5ステップ!初心者向けの方法も紹介
本記事ではケーススタディとしてLooker StudioのGA4レポートで「データ割り当てエラー」が発生してしまった状態を解決する流れを解説します。
データの抽出方法 – GA4レポートで「データ割り当てエラー」が発生した
もともと問題なくグラフが表示されていたにもかかわらず、GA4 API リクエスト数の上限超過によるデータ割り当てエラーが発生してしまうと以下のように、全くグラフが表示されなくなってしまいます。データの抽出はこのようなエラーについて対処が可能になります。
データの抽出方法 – データソースから選択する
Looker Studioを編集画面にします。上部メニューにて、リソース > 追加済リソースの管理をクリックします。
現在追加済のデータソースが表示されます。下部の【データソースの追加】を選択します。
データソース用のコネクタ一覧が表示されます。
検索画面で「抽出」と検索すると、【データの抽出】アイコンが表示されます。開発者がGoogleであることを確認しましょう。
データの抽出方法 – データの抽出を設定
前ステップまでで【データの抽出】コネクタを見つけることができました。ここからは具体的な抽出方法を解説します。
【データの抽出】コネクタを選択すると、以下の画面が表示されます。この画面でデータ抽出の設定を行います。設定自体はそこまで複雑ではありませんのでぜひ続けて見てみてください。
基本的な設定画面の見方は以下の通りです。
例えば、具体的なケーススタディとして今回以下のグラフのエラーを解消したいとします。
- ページビューイベントの推移をみるための折れ線グラフ
- 期間は2022年11月分
今回の抽出における設定は以下とします。今回は日次の折れ線グラフなので日付のディメンションも入れます。コツとしては、該当グラフで設定しているディメンションや指標をそのまま抽出時に入れると設定が楽となります。
- ディメンション:日付、イベント名
- 指標:イベント数
- 期間:2022年11月1日から2022年11月30日まで
- フィルタ:ページビューイベントを定義
【自動更新】設定をすると、設定した時間と頻度でデータ抽出が繰り返されます。更新が必要な場合はONにしましょう。
保存を押すと完了です。データソースを確認して【データの抽出】というデータソースが新たに加わっていれば正常に追加されています。
デフォルトでは【データの抽出】というデータソース名になりわかりにくいので、編集を選択して、データソース名を判別しやすい名称に変更しましょう。
データの抽出方法 – エラーグラフへの適用
ここまでのステップで22年11月分のページビューデータの抽出が完了しました。最後のステップとして、エラーが発生しているグラフに抽出したデータソースを適用します。
Looker Studioの編集画面にて、エラーが出ているグラフを選択します。
グラフにはもともとのデータソースが設定されているはずですから、これを新しく抽出したデータソースに変更します。
すると、該当のレポート表示のエラーが解消され、復活しました。
グラフにデータ割り当てエラーが発生した際に、データの抽出機能を活用してエラーを解消するための基本的な対応が以上になります。この対応をエラーが発生しているグラフにそれぞれ施していくことになります。
データの抽出で気を付けるべきポイント
最後にデータの抽出で気を付けるべきポイントについて整理します。
- 抽出データの上限は100MB – データ量が100MBを超過するとデータ抽出ができないので、範囲内のボリュームで対応しましょう。
- 必要に応じて自動更新設定をする – 自動更新を設定しない限り抽出データは更新されません。リフレッシュが必要な場合はデータ更新を検討しましょう。
おわりに
本記事ではLooker Studioでのデータの抽出方法について解説をしました。Looker Studioで生じるエラーについては以下の記事も参照ください。
Looker Studio(旧 Googleデータポータル)でシステムエラーが出る原因と5つの対処法を解説
Looker Studioにおいては頻繁なプロダクトのアップデートがなされています。最新情報はこちらのDatafolioブログにて扱っていきますのでぜひブックマークをいただけると幸いです。
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